Windows11のロック画面で「パスワードアイコンが表示されない」という不具合が、2025年秋ごろから相次いで報告されています。
特に、バージョン24H2・25H2を利用中のユーザーで、最近の更新プログラム（KB5068861など）を適用したあとに発生するケースが増えています。
この問題はログイン機能そのものが壊れているわけではなく、UI（見た目）上の不具合が原因とみられています。
本記事では、この不具合の詳細な原因・影響範囲・具体的な対処法、そしてMicrosoftの対応状況をわかりやすく解説します。
「ログインできない」と焦る前に、まずはこの記事で安全に解決できる方法を確認していきましょう。
Windows11でロック画面にパスワードアイコンが表示されない不具合とは
ここでは、最近話題になっている「Windows11のロック画面でパスワードアイコンが表示されない」不具合について詳しく解説します。
この問題は、一見深刻そうに見えますが、実際にはログイン自体ができなくなるわけではありません。
まずは、どのような現象が起きているのかを整理していきましょう。
不具合の概要 — 何が起きるのか
Windows11のロック画面で「サインインオプション」を開いた際、本来表示されるはずのパスワード入力アイコンが見えなくなるという不具合が発生しています。
つまり、通常であれば「顔認証」「PIN」「パスワード」などが選択できるのに、パスワードだけが表示されなくなってしまう状態です。
ただし、完全に機能が失われているわけではなく、アイコンが見えないだけで、実際にはその位置にボタンが存在しています。
見えないボタン部分をクリックすれば、パスワード入力欄が表示され、通常どおりログインできるという点がポイントです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生箇所 | ロック画面のサインインオプション |
| 症状 | パスワードアイコンが非表示になる |
| 動作 | アイコンが見えないが、クリックすると反応する |
| 影響 | 一部のユーザー環境のみ（全環境では発生しない） |
「アイコン非表示だが入力自体は可能」の挙動
この不具合の特徴は、「表示上の問題」であり、システム的なログイン機能そのものが壊れているわけではないという点です。
そのため、慌ててシステムを再インストールしたり、パスワードリセットを行う必要はありません。
Microsoftもこの点を認識しており、現在は原因調査と修正パッチの準備を進めています。
つまり、この不具合は視覚的なUI表示の不具合に過ぎず、セキュリティ上の重大な問題ではありません。
次の章では、この現象がどの更新プログラムやWindowsバージョンに関連しているのかを詳しく見ていきましょう。
いつから・どの更新が原因か
ここでは、Windows11で「パスワードアイコンが表示されない」不具合がいつから発生し、どの更新プログラムが関係しているのかを整理します。
症状の発生タイミングを把握しておくことで、今後のトラブル回避にもつながります。
影響のあるOSバージョン（Windows 11 24H2 / 25H2）
この不具合は、Windows11 バージョン24H2および25H2の一部環境で確認されています。
特に、最新の25H2をインストールしたユーザーから報告が多く、企業向けや一般ユーザーの双方で発生が確認されています。
24H2環境でも同様の症状が出るケースがあり、特定のデバイス構成やサインイン設定との組み合わせによって発生する可能性があります。
| OSバージョン | 発生状況 |
|---|---|
| Windows11 25H2 | 報告多数（再現性あり） |
| Windows11 24H2 | 一部環境で発生 |
| Windows11 23H2以前 | 現時点では報告なし |
問題とされる更新プログラム（例：KB5064081 以降、KB5068861 など）
Microsoftの最新情報によると、2025年8月末以降の更新プログラムが影響している可能性があります。
特に、以下の更新を適用した環境で不具合が確認されています。
| 更新プログラム | 配信日 | 内容 |
|---|---|---|
| KB5064081 | 2025年8月30日 | プレビューリリース（初確認） |
| KB5065426 | 2025年9月10日 | セキュリティ更新 |
| KB5068221 | 2025年9月22日 | 緊急修正 |
| KB5068861 | 2025年11月12日 | 最新のセキュリティ更新（継続発生） |
これらの更新プログラムの共通点は、Winlogon（Windowsのログイン制御部分）周辺への変更が行われた点です。
そのため、UI表示（特にサインインオプション関連）に影響を及ぼしている可能性があります。
なぜこの不具合が起きるのか（公式説明と現状）
2025年11月現在、Microsoftはこの不具合を認識しており、修正版の準備を進めていると発表しています。
ただし、具体的な発生条件や影響範囲はまだ公表されていません。
一部の報告によると、「Windows Hello」や「PIN」などの生体認証を優先設定にしている場合に、パスワードアイコンが非表示になる傾向があるようです。
また、複数ユーザーを登録しているPCでユーザー切り替えを行うと発生率が上がるという報告もあります。
Microsoftは2025年12月中旬に予定されている月例更新（Patch Tuesday）での修正を目指しているとのことです。
次の章では、この不具合が起きた際にすぐ実践できる「回避策」や「一時的な対処法」を紹介します。
パスワードアイコンが表示されない場合の対処方法
ここでは、実際にロック画面でパスワードアイコンが表示されないときの具体的な対処法を紹介します。
この不具合は表示の問題であり、基本的なログイン機能は失われていないため、落ち着いて手順を確認すれば問題なくサインインできます。
一時的な回避策（パスワードを直接入力する方法）
最も簡単な回避策は、アイコンが見えなくても「パスワード欄がある位置をクリックする」方法です。
通常、パスワード入力アイコンがある位置にマウスカーソルを合わせると、透明なボタンが反応します。
クリックするとパスワード入力欄が現れるので、そのままパスワードを入力すればサインイン可能です。
見えないだけで機能は残っているという点を覚えておきましょう。
| 操作手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | ロック画面で「サインインオプション」を開く |
| 2 | 通常パスワードアイコンがある位置にカーソルを移動 |
| 3 | クリックするとパスワード入力欄が表示される |
| 4 | パスワードを入力してログイン |
更新プログラムのアンインストール手順
もし不具合が頻繁に発生する場合、原因となっている更新プログラムを一時的にアンインストールする方法もあります。
ただし、セキュリティ更新を削除すると脆弱性のリスクが高まるため、慎重に判断する必要があります。
この方法はあくまで一時的な対処です。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | [設定] → [Windows Update] → [更新の履歴]を開く |
| 2 | [更新プログラムのアンインストール]をクリック |
| 3 | 問題の更新（例：KB5068861など）を選択してアンインストール |
| 4 | 再起動して動作を確認 |
なお、アンインストール後は自動的に再適用される場合があるため、更新を一時停止する設定も併用しましょう。
システムファイルの修復と再起動のポイント
不具合が解消しない場合は、システムファイルの破損や一時的なキャッシュ問題の可能性もあります。
以下の手順でWindowsのシステム修復を行いましょう。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | 「cmd」を管理者として実行 |
| 2 | 以下のコマンドを順に入力 ・ sfc /scannow・ Dism /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth |
| 3 | 処理が完了したらPCを再起動 |
これらの手順でWindowsのシステム整合性を回復させることができるため、UIの不具合が解消されるケースもあります。
特に、更新の途中でエラーが発生した場合などには有効な手段です。
焦らず、まずは回避策と基本修復を試すことが最も安全な対応です。
次の章では、Microsoftが公式にどのような対応を進めているのか、そして今後の修正版リリース時期について解説します。
Microsoftの対応状況と今後の見通し
ここでは、Microsoftがこの不具合にどのように対応しているのか、そして今後どのような修正版が提供される見通しなのかを整理します。
公式のアナウンスを確認しておくことで、誤った対応を避け、より安全にWindowsを運用することができます。
Microsoft の見解と情報公開状況
2025年11月時点で、Microsoftは「ロック画面のサインインオプションでパスワードアイコンが表示されない問題」を正式に認識しています。
同社はWindows Updateの既知の不具合一覧（Known Issues）にこの現象を掲載し、調査中である旨を発表しています。
ただし、現段階では恒久的な修正パッチはまだ配信されていません。
Microsoftは、同様の不具合が25H2の内部テストビルド（Insider Release Preview）でも再現していることを確認しており、原因の切り分けを進めているとのことです。
| 情報源 | 内容 |
|---|---|
| Microsoft Known Issues ページ | パスワードアイコン非表示問題を掲載 |
| Windows Insider公式ブログ | 25H2内部テストで再現を確認 |
| サポート担当コメント | 修正版を12月配信の予定で準備中 |
修正パッチの予定と今後注意すべき更新月
Microsoftは2025年12月中旬の「Patch Tuesday（毎月第2火曜）」に、修正版を含む更新プログラムを配信する見込みです。
この更新では、ログイン画面のUIを制御するモジュールに修正が入る予定で、同様の表示不具合を防ぐ変更も行われるとされています。
なお、12月更新（KB5070xxx系）が配信された際には、適用後の挙動を慎重に確認することが推奨されます。
一方で、更新プログラムの適用前後でシステムファイルや認証設定が不整合を起こすケースもあるため、アップデート前にはバックアップや復元ポイントを作成しておきましょう。
今できる“安定運用のポイント”
修正版の配信を待つ間、ユーザー側でできる安定運用の工夫もあります。
- 更新直後に再起動を必ず実施する（キャッシュ不整合を防ぐ）
- Windows HelloやPIN認証を有効にしておく（代替サインイン手段の確保）
- 長期間スリープ状態を避ける（ロック画面のキャッシュが乱れやすい）
安定運用の鍵は、「最新の情報を把握し、更新を慎重に適用すること」です。
Microsoftの公式ブログやWindows Updateの既知の問題ページを定期的にチェックしておくと安心です。
次の章では、今回のようなログイントラブルが再発したときのために、事前に備えておくべき対策について解説します。
もしものときの対策と備え
ここでは、今回のようにロック画面の不具合でログインできない、あるいは認証関連のトラブルが起きたときのために、事前に取っておくべき備えを紹介します。
突然ログインができなくなると焦りますが、いくつかの設定をしておくことで被害を最小限に抑えられます。
ログインできない／認証できない事態への備え（PIN・セキュリティキー等の併用）
最初におすすめしたいのは、パスワード以外のログイン方法をあらかじめ設定しておくことです。
Windows11では、PINコード・顔認証（Windows Hello）・セキュリティキー（FIDO2）など複数のサインイン方法を併用できます。
これにより、パスワードアイコンが表示されないトラブルが発生しても、別の方法でログインできるようになります。
| 認証方法 | 特徴 | 備考 |
|---|---|---|
| PINコード | オフラインでも利用可能 | 最も安定してログイン可能 |
| 顔認証（Windows Hello） | 高速でセキュア | カメラが必要 |
| セキュリティキー | 物理デバイスで認証 | 企業環境での利用が増加中 |
1つの手段に依存せず、複数のサインイン方法を設定しておくことが安全の鍵です。
重要データのバックアップと復元ポイントの活用
不具合が発生したとき、最も困るのは「ログインできずにデータへアクセスできない」状態です。
そうならないよう、定期的にバックアップや復元ポイントを作成しておきましょう。
特に、Windows Update直前に復元ポイントを手動で作成しておくと、トラブル発生時にスムーズに戻せます。
| おすすめのバックアップ方法 | 説明 |
|---|---|
| ファイル履歴（Windows標準） | ユーザーフォルダを自動でバックアップ |
| OneDrive / Google Drive | クラウド上で安全にデータを保管 |
| 復元ポイント | 更新プログラム適用前に状態を保存 |
バックアップ先は、可能であれば外付けドライブやクラウドなど複数持つのが理想です。
トラブルを避けるための更新・設定の賢い付き合い方
Windowsの更新は重要ですが、配信直後にすぐ適用するのではなく、数日様子を見るのも1つの手です。
特にプレビューリリース（Preview Update）は、機能テスト目的の更新が含まれるため、不具合が発生することもあります。
更新の種類を理解して、安定版だけを選んで適用することで、リスクを最小限にできます。
| 更新タイプ | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| セキュリティ更新（毎月第2火曜） | 安定性が高く必須 | ◎ |
| プレビューリリース（月末） | テスト目的を含む | △ |
| 緊急リリース | 修正急務な不具合対応 | ○ |
「安定した環境で使い続ける」ためには、更新を慎重に選ぶ姿勢が大切です。
次の章では、今回の不具合の要点をまとめ、読者が今後トラブルに強い環境を構築できるように整理していきます。
まとめ — 焦らず、正しく対処を
ここまで、Windows11でロック画面のパスワードアイコンが表示されない不具合について、原因・対処法・今後の見通しを整理してきました。
最後に、今回のポイントを振り返りながら、トラブル時に落ち着いて対応するための考え方をまとめます。
不具合発生時の落ち着いた行動の重要性
この不具合は、ログインそのものができなくなるような深刻なものではなく、あくまでUI表示の問題です。
つまり、アイコンは見えなくても、機能自体は残っているため、焦らず冷静に対応することが大切です。
まずは見えない位置をクリックしてパスワード欄を表示する、もしくはPINや生体認証でサインインしてみましょう。
多くの場合、これだけでログインできるケースがほとんどです。
| トラブル発生時の対応フロー | 概要 |
|---|---|
| 1 | 見えないパスワード欄の位置をクリックして入力 |
| 2 | ログインできない場合はPINやHelloで代替 |
| 3 | 再発する場合は更新を一時停止またはアンインストール |
| 4 | 次回のWindows Updateで修正を確認 |
最新情報のチェック方法
Microsoftは既知の不具合情報を随時更新しており、公式サポートページやWindows Updateの設定画面から確認できます。
また、企業ユーザーの場合は、Microsoft 365管理センターやWindowsリリースヘルスページも重要な情報源です。
更新がリリースされた際は、まずは配信内容を確認し、すぐに適用せず数日間様子を見るのも安全策のひとつです。
安定性を優先した運用が、結果的にトラブルを最小限に抑えるポイントです。
Windowsの不具合は「慌てず・調べて・備える」ことが一番の対策です。
今後もアップデートが続く中で、正確な情報と冷静な判断を持って対応していきましょう。
