Windows 11「ペイント」のレイヤー機能完全ガイド｜画像の重ね合わせ・透明度・結合の使い方

Windows 11の「ペイント」が、ついに本格的な画像編集ツールへ進化しました。

2023年秋以降のアップデートで追加されたレイヤー機能により、これまで不可能だった画像の重ね合わせや透かし加工、部分的な修正が手軽にできるようになったんです。

この記事では、「Windows 11 ペイント レイヤー」の使い方をゼロから丁寧に解説します。

レイヤーの追加・削除・順序変更といった基本操作から、透明度の変更や画像の結合などの応用テクニックまで、すべて実例つきで紹介。

「塗りつぶしできない」などのよくあるトラブルも対処法付きでわかりやすく解説しているので、この記事を読めば今日からあなたもペイントマスターです。

Windows 11「ペイント」にレイヤー機能が登場！どんなことができる？

ここでは、Windows 11の「ペイント」に新しく追加されたレイヤー機能について、どんなことができるようになったのかをわかりやすく解説します。

従来のペイントとの違いを知ることで、このアップデートのすごさが実感できるはずです。

従来のペイントとの違いとは？

これまでのペイントは、1枚のキャンバスにすべてを直接描く仕組みでした。

つまり、一度描いた線や図形を後から別々に動かすことができず、修正したいときは「元に戻す」しかありませんでした。

しかし、Windows 11に新しく追加されたレイヤー機能によって、その制限がついになくなったのです。

レイヤーとは、透明なシートを何枚も重ねて1枚の絵を作る仕組みのことです。

例えば「背景」「人物」「文字」などを別々のレイヤーに分けて描けば、後から個別に編集したり、削除したりできるようになります。

この仕組みはPhotoshopやGIMPといった本格的な画像編集ソフトにも搭載されており、ペイントがついにその仲間入りを果たした形です。

項目	従来のペイント	新しいペイント（Windows 11）
編集方式	1枚のキャンバスに直接描く	複数レイヤーを重ねて描ける
修正の自由度	「元に戻す」しかできない	個別の要素を後から編集可能
画像の合成	不可	別画像をレイヤーとして重ねられる

この表を見てもわかるように、ペイントは“お絵かきツール”から“本格的な画像編集ツール”へと進化したと言えるでしょう。

レイヤー機能で広がる新しい使い方の可能性

レイヤー機能が使えるようになったことで、これまでできなかった作業が一気に広がりました。

たとえば、ロゴを写真の上に透かして配置したり、人物だけを別レイヤーで動かしたりすることも簡単です。

さらに、透明度を調整することで、柔らかい雰囲気の合成や「透かし」効果も作れます。

Windows 11のペイントは、もう単なる落書きアプリではありません。

シンプルだけど強力な編集ツールとして、日常的な画像加工に活躍する存在になっています。

Windows 11 ペイントのレイヤーを使う準備

ここでは、レイヤー機能を使うための事前準備を解説します。

Windows 11のペイントはアップデートによって機能が追加されているため、まずは最新のバージョンかどうかを確認することが大切です。

また、レイヤーを操作するために必要な「レイヤーパネル」の表示方法もここでマスターしておきましょう。

ペイントのバージョンを確認してアップデートする方法

レイヤー機能は、2023年以降のアップデートで追加された新機能です。

もしペイントに「レイヤー」アイコンが見当たらない場合は、アプリが古い可能性があります。

以下の手順で、最新バージョンにアップデートできるかを確認しましょう。

手順	操作内容
1	「Microsoft Store」アプリを開きます。
2	左下の「ライブラリ」をクリックします。
3	一覧から「ペイント」アプリを探します。
4	「更新プログラムを入手」をクリックして最新版にします。

アップデート後にペイントを起動すると、ウィンドウ右上に重なった四角形のアイコンが追加されているはずです。

このアイコンこそが「レイヤー機能」の入口です。

レイヤーパネルの表示と非表示の切り替え方

レイヤーを使うときは、「レイヤーパネル」を表示させるのが基本です。

このパネルを使って、レイヤーの追加や削除、順序の入れ替えなどを行います。

操作	やり方
表示する	ペイント右上の四角形アイコンをクリックします。
非表示にする	もう一度同じアイコンをクリックします。

レイヤーパネルが表示されると、右側にレイヤーの一覧が現れます。

上にあるレイヤーほど前面に表示され、下のレイヤーは背景になります。

この構造を理解しておくと、後の編集操作がスムーズに行えます。

もしアイコンが表示されない場合は、必ずアップデートを確認してください。

これでレイヤー機能を使う準備は完了です。

基本操作編：レイヤーの追加・選択・削除

ここでは、レイヤー機能の基本である「追加」「選択」「削除」の3つの操作を詳しく解説します。

これをマスターするだけで、ペイントでの画像編集が一気に効率的になります。

最初はシンプルな手順から順に慣れていきましょう。

新しいレイヤーを追加する手順

まずは、作業を分けるために新しいレイヤーを追加してみましょう。

背景と人物、文字などを分けて描くことで、後から修正がしやすくなります。

手順	操作内容
1	ペイントを起動すると、最初に「背景」というレイヤーが1枚あります。
2	右側のレイヤーパネルで「＋」ボタンをクリックします。
3	「レイヤー 2」という新しい透明レイヤーが追加されます。
4	自動的に新しいレイヤーが青く選択され、描画できる状態になります。

この新しいレイヤーは、背景の上に重なった透明なフィルムのようなものです。

「何をどのレイヤーに描くか」を意識しておくと、後の編集がとてもラクになります。

作業するレイヤーを選択・切り替えるコツ

ペイントのレイヤー操作で最も重要なのが「今、どのレイヤーに描いているか」です。

選択を間違えると、意図しない場所に線や色がついてしまうことがあります。

確認ポイント	内容
選択方法	レイヤーパネルで編集したいレイヤーをクリックします。
状態表示	選ばれたレイヤーが青くハイライトされます。
描画結果	選択中のレイヤーにだけ描かれます。

見た目上は同じキャンバスに描いているように見えても、実際には別々のレイヤーに保存されています。

レイヤーを間違えたまま作業すると、修正が面倒になるので注意しましょう。

不要なレイヤーを削除する方法

不要になったレイヤーは削除して整理しましょう。

余計なレイヤーを減らすことで、作業画面がすっきりします。

削除手順	操作内容
1	削除したいレイヤーをクリックして選択します。
2	右クリックして「レイヤーの削除」を選びます。
3	または、パネル右下のゴミ箱アイコンをクリックしても削除できます。

なお、「背景」レイヤーは特別扱いなので削除できません。

背景は常に一番下にあり、全体の土台となるレイヤーだからです。

不要なレイヤーを整理することが、快適な編集環境づくりの第一歩です。

管理操作編：レイヤーの名前変更・順序変更・表示管理

レイヤーが増えてくると、「どれがどの部分かわからない」という混乱が起こりがちです。

ここでは、レイヤーを効率よく整理するための3つの管理操作を紹介します。

名前を付けて見やすくし、重ね順や表示をコントロールできるようになりましょう。

レイヤーに名前を付けて整理する方法

ペイントでは、レイヤーを追加すると自動的に「レイヤー 2」「レイヤー 3」といった名前が付きます。

ですが、そのままでは後で見分けがつきにくくなってしまいます。

手順	操作内容
1	名前を変更したいレイヤーをダブルクリックします。
2	または右クリックして「レイヤーの名前の変更」を選びます。
3	わかりやすい名前（例：「背景」「人物」「文字」など）を入力します。

この操作を行うだけで、後から作業内容を把握するのが格段にラクになります。

レイヤー名は“作業の見出し”と考えて、具体的に付けるのがポイントです。

レイヤーの重ね順を変更する方法

ペイントのレイヤーは、上にあるものほど前面に表示されます。

そのため、レイヤーの順序を変えることで、画像の見た目を自由にコントロールできます。

操作手順	内容
1	順序を変えたいレイヤーをクリックして選択します。
2	そのままドラッグして上下に動かします。
3	青い線が表示された位置でマウスを離すと、順序が入れ替わります。

たとえば、背景より上に人物レイヤーを置けば、人物が前に表示されます。

逆に、人物を背景の下にすると見えなくなるため、順序には注意しましょう。

重ね順を間違えると、描いたものが“消えたように見える”ことがあるので要注意です。

レイヤーを一時的に非表示にする方法

「このレイヤーだけ一度隠して確認したい」というときは、表示・非表示を切り替えましょう。

削除ではないので、後から簡単に戻すことができます。

操作手順	内容
1	レイヤーパネルの右側にある「目のアイコン」をクリックします。
2	アイコンが閉じた状態になると、そのレイヤーは非表示になります。
3	再びクリックすると再表示されます。

この機能を使うと、特定の要素を隠して作業を進めることができるのでとても便利です。

レイヤー管理を使いこなすことが、ペイントを“プロ仕様”に近づけるコツです。

応用操作編：画像の重ね合わせ・透明度・複製・結合

ここからは、ペイントのレイヤー機能をさらに使いこなすための応用テクニックを紹介します。

画像を重ねたり、透かしを入れたり、複製や結合を行うことで、より自由な表現が可能になります。

一つひとつの操作を覚えれば、ペイントが“本格的な画像編集ツール”として活躍し始めます。

別の画像をレイヤーとして読み込む（重ねる）方法

ペイントのレイヤー機能を使えば、他の画像を新しいレイヤーとして追加し、重ね合わせることができます。

これは、資料の合成やロゴの配置などにとても便利な機能です。

手順	操作内容
1	ペイントのメニューバーで「ファイル」→「キャンバスにインポート」→「ファイルから」を選択します。
2	追加したい画像ファイル（例：ロゴや別の写真）を選び、「開く」をクリックします。
3	選んだ画像が新しいレイヤーとして追加され、ドラッグで位置やサイズを調整できます。

この方法を使えば、異なる画像を簡単に組み合わせることができます。

ペイントでも「画像の合成」が自由に行えるようになったのは大きな進化です。

レイヤーの透明度を調整して透かしを作る

ロゴを薄く表示させたいときや、柔らかい雰囲気を出したいときには透明度の調整が役立ちます。

レイヤー全体を半透明にすることで、簡単に「透かし」や「ウォーターマーク」を作れます。

手順	操作内容
1	透明度を変えたいレイヤーを選択します。
2	右クリックして「レイヤー プロパティ」を開きます。
3	「不透明度」のスライダーを左に動かして値を下げます（例：30%）。

スライダーを調整すると、リアルタイムでレイヤーの透け具合を確認できます。

不透明度を下げすぎると見えなくなるため、30〜60%の範囲が自然です。

透明度を活用すると、ペイントでもデザイン的な仕上がりを演出できます。

レイヤーを複製・結合して効率よく編集する

作業をスピーディーに進めたいときは、レイヤーの複製と結合が便利です。

複製すれば同じ要素を何度も使えますし、結合すれば完成画像を1枚にまとめられます。

操作	手順
レイヤーの複製	対象レイヤーを右クリック → 「レイヤーの複製」 → 同じ内容のコピーが上に追加されます。
レイヤーの結合	上のレイヤーを右クリック → 「下のレイヤーと結合」 → 2枚が1枚にまとまります。

複製したレイヤーは位置をずらしたり、透明度を変えて重ねたりするのもおすすめです。

ただし、結合したレイヤーは元に戻せないため、実行前に確認しましょう。

複製と結合を使い分ければ、効率と自由度の両立が可能です。

トラブル対策：「ペイントで塗りつぶしできない」時の原因と解決法

ペイントのレイヤー機能を使い始めた人が最初にぶつかる壁が、「塗りつぶしできない」というトラブルです。

実は、これにはいくつかの典型的な原因があります。

ここでは、その原因と対処法を順に見ていきましょう。

アクティブレイヤーの選択ミスが原因の場合

最も多い原因は、作業中のレイヤーを間違えているケースです。

ペイントの塗りつぶしツールは、今選択しているレイヤー（アクティブレイヤー）にだけ作用します。

症状	原因	解決法
塗りつぶしても何も変化しない	塗りたい領域とは別のレイヤーが選ばれている	レイヤーパネルで正しいレイヤーをクリックして選択

「線画」レイヤーを選んだまま「色塗り」をしようとすると、線が塗りつぶされてしまうことがあります。

必ず、色を塗るレイヤーを選んでから塗りつぶしツールを使いましょう。

「参照：すべてのレイヤー」の設定を確認する

ペイントの塗りつぶしツールには、「参照」という設定項目があります。

これは、「どのレイヤーの線を境界として認識するか」を決める重要な機能です。

設定項目	意味
現在のレイヤー	選択中のレイヤーだけを参照して塗りつぶす。
すべてのレイヤー	他のレイヤーの線も含めて境界を認識して塗りつぶす。

もし線画が別レイヤーにある場合は、「参照：すべてのレイヤー」を選んでおくのが正解です。

この設定にしておくと、線画レイヤーの線を認識して、その下の色塗りレイヤーにきれいに色がつきます。

上のレイヤーが不透明で隠れていないかをチェック

もう一つ見落としがちな原因が、「上のレイヤーが下のレイヤーを覆っている」ケースです。

たとえば、上のレイヤーが白く塗りつぶされていると、下で塗りつぶしても見えないことがあります。

チェックポイント	対応策
上のレイヤーが白などの不透明な塗りで覆われていないか	一時的に「目のアイコン」で非表示にして確認
下のレイヤーの変化が見えない	レイヤーの順序を入れ替えてみる

上のレイヤーを非表示にしてみると、下のレイヤーにしっかり色がついていることがあります。

「見えない＝失敗」ではなく、重なり順の問題という場合が多いのです。

塗りつぶしがうまくいかないときは、次の2点を順に確認してみましょう。

• 正しいレイヤーを選択しているか？
• 塗りつぶしツールの「参照」が「すべてのレイヤー」になっているか？

それでも直らないときは、上のレイヤーの非表示切り替えを試すと、ほとんどのトラブルが解決します。

レイヤーの仕組みを理解していれば、塗りつぶしの失敗も怖くありません。

できること・できないことを比較！ペイントの限界を知ろう

Windows 11のペイントは、レイヤー機能が追加されたことで見違えるほど便利になりました。

しかし、PhotoshopやGIMPなどのプロ向けソフトと比べると、まだできないこともあります。

ここでは、ペイントで「できること」と「できないこと」を整理し、どんな用途に向いているかを明確にします。

Windows 11ペイントでできること一覧

まずは、レイヤー機能が加わったことで可能になった作業を一覧で見てみましょう。

機能	ペイントでの可否	説明
レイヤーの追加・削除	◎ 可能	自由にレイヤーを増やしたり減らしたりできます。
順序変更・名前変更	◎ 可能	ドラッグで順序を変えたり、わかりやすい名前にできます。
画像の重ね合わせ	◎ 可能	別画像をレイヤーとして追加し、合成ができます。
透明度の変更	◎ 可能	レイヤー全体を半透明にして透かしを作れます。
レイヤーの結合・複製	◎ 可能	レイヤーをまとめたり、コピーして再利用できます。

日常的な画像編集や簡単な合成なら、ペイントで十分こなせるようになりました。

高機能ソフトと比べたときの違い

一方で、PhotoshopやGIMPなどの本格的な画像編集ソフトと比べると、ペイントには明確な限界もあります。

機能	ペイント	Photoshop・GIMPなど
レイヤーマスク	× なし	◎ 一部だけ透明にでき、非破壊編集が可能
描画モード（乗算・スクリーンなど）	× なし	◎ 色のブレンドができ、自然な合成が可能
調整レイヤー	× なし	◎ 明るさやコントラストを後から変更可能
レイヤーグループ	× なし	◎ フォルダでレイヤーを整理できる
レイヤースタイル（影や縁取り）	× なし	◎ ワンクリックで立体効果を付けられる

このように、ペイントのレイヤー機能は「基本的な階層編集」に特化しています。

高度なデザイン表現や商業制作を行いたい場合は、やはり専門ソフトが必要です。

どんな人にペイントのレイヤー機能が向いている？

ペイントは「日常使い」や「簡単な資料作成」など、軽い画像編集をしたい人に最適です。

直感的に操作でき、複雑な設定も必要ないため、初心者でもすぐに使いこなせます。

利用目的	おすすめ度
ちょっとした画像加工・説明図の作成	◎ 最適
SNS用の画像作成やアイキャッチ編集	○ 可能
本格的なイラストやデザイン制作	△ 難しい

「難しい操作は嫌だけど、少し凝った編集がしたい」――そんな人には、今のペイントがぴったりです。

シンプルながらも実用的なレイヤー機能を使えば、あなたの作業効率は確実にアップします。

まとめ：ペイントのレイヤー機能で画像編集がもっと自由に

ここまで、Windows 11のペイントに新しく追加されたレイヤー機能について解説してきました。

最後に、覚えておきたいポイントと次に試してほしいステップを整理しておきましょう。

覚えておきたい操作ポイントの再確認

ペイントのレイヤー機能を使いこなすうえで大事なのは、「どのレイヤーで作業しているか」を常に意識することです。

これさえ守れば、編集ミスの多くを防げます。

ポイント	内容
① レイヤーパネルの確認	青く選択されたレイヤーが“今描いている場所”です。
② 画像の重ね合わせ	「ファイル」→「キャンバスにインポート」で別画像を追加できます。
③ 透明度の変更	レイヤーを右クリック→「レイヤープロパティ」で不透明度を調整できます。
④ トラブル対策	塗りつぶしできないときは、「参照：すべてのレイヤー」を確認しましょう。

これらを押さえるだけで、ペイントが“初心者でも扱えるマルチ編集ツール”に変わります。

ペイントを使いこなすための次のステップ

基本操作に慣れたら、もう一歩進んで応用に挑戦してみましょう。

例えば、文字を別レイヤーに置いて背景を変えたり、複製レイヤーで陰影をつけるなどの工夫もできます。

応用テクニック	効果
文字レイヤーと背景レイヤーの分離	背景だけを差し替えても文字を維持できる
複製＋透明度の変更	影や光の表現が簡単に作れる
結合を活用して保存前に整理	ファイルサイズを小さくし、完成データを一枚化

こうした工夫を少しずつ取り入れていくと、ペイントでも驚くほど完成度の高い作品が作れます。

難しい専門知識はいりません。ペイントのレイヤー機能だけで、十分に「見せる画像編集」ができます。

あなたのパソコンにすでに入っているペイントが、今日から“新しい創作ツール”になります。