コマンドプロンプトで「UNCパスはサポートされません」と表示され、フォルダに入れなくなった経験はありませんか。
このエラーは、Windowsがネットワーク上のパス(UNCパス)を直接扱えないという仕様によるもので、多くの人が混乱する代表的なトラブルです。
本記事では、初心者でも3秒で解決できる方法から、恒久的にエラーを防ぐ設定、そして古いNASとの通信トラブル対処法までをわかりやすく解説します。
Windows 10・11のどちらにも対応しており、システム管理者はもちろん、普段ファイル共有を使う一般ユーザーでも安心して実践できます。
「もう怖くないUNCパスエラー」へ。一緒に原因と解決のすべてを整理していきましょう。
UNCパスはサポートされませんとは?原因をわかりやすく解説

「CMDではUNCパスは現在のディレクトリとしてサポートされません。」というメッセージを見た瞬間、何のことかわからず戸惑った方も多いのではないでしょうか。
この章では、エラーの正体を理解し、なぜ発生するのかをわかりやすく整理します。
UNCパスとローカルパスの違い
まず、Windowsにはファイルの場所を示す「住所」にあたる2種類の表現方法があります。
ひとつはローカルパス。これは「C:\Users\Documents」のように、自分のパソコン内を示すパスです。
もうひとつがUNCパス(ユニバーサル・ネーミング・コンベンション)。「\\ServerName\ShareName」のように、ネットワーク上の別のコンピュータを示すパスです。
つまり、UNCパスとは、ネットワーク上のフォルダやNASなどにアクセスするための住所表記です。
| 種類 | 例 | 用途 |
|---|---|---|
| ローカルパス | C:\Users\Documents | 自分のPC内のフォルダ |
| UNCパス | \\Server\Share | ネットワーク上の共有フォルダ |
コマンドプロンプトでエラーが出る理由
コマンドプロンプト(CMD)は、MS-DOSという古い仕組みを引き継いでいます。
そのため、ネットワーク上のパス(UNCパス)に直接移動する機能が最初から備わっていません。
たとえば、以下のようなコマンドを実行するとエラーになります。
cd \\Server\Share
これは、コマンドプロンプトが「ネットワーク上の場所」を理解できず、“知らない住所に行けません”と拒否している状態です。
例えるなら、ナビなしで海外の住所に行こうとして迷っているようなものです。
| 操作 | 結果 |
|---|---|
| cd \\Server\Share | UNCパスはサポートされません(エラー) |
| pushd \\Server\Share | 自動的にドライブ文字を割り当てて移動(成功) |
Windows 11で発生しやすくなった背景
Windows 11では、セキュリティが大幅に強化されています。
特に、古い通信方式(SMB 1.0など)を使用しているNASやサーバーとの接続は、既定でブロックされるようになりました。
その結果、これまで問題なく使えていたネットワークフォルダにアクセスできず、「UNCパスはサポートされません」などのメッセージが表示されることがあります。
つまり、原因はエラーではなく“仕様の進化”です。
古いシステムを使っている場合ほど発生しやすい現象なので、次章ではこのエラーをすぐに回避できる実践的な方法を紹介します。
一緒に順番に試してみましょう。
すぐに解決!UNCパスエラーを直す3つの方法

「今すぐフォルダに入りたいのに、エラーが出て進めない…」そんな焦りを一瞬で解消するための3つの方法を紹介します。
どれも難しい操作ではありません。あなたの状況に合わせて選ぶだけで、すぐにネットワーク上のフォルダへアクセスできるようになります。
最短3秒で解決する「pushd」コマンドの使い方
もっとも手っ取り早いのがpushd(プッシュディー)コマンドです。
コマンドプロンプトで、以下のように入力してエンターを押すだけ。
pushd \\ServerName\ShareName
この1行を実行すると、Windowsが裏で「一時的なドライブ」を自動的に作ってくれます。
つまり、あなたが入力したUNCパスにアクセスするために、WindowsがこっそりZドライブなどを割り当ててくれるのです。
たったこれだけで、エラーを出さずにネットワーク上のフォルダに移動できます。
| コマンド | 動作内容 |
|---|---|
| pushd \\Server\Share | 一時的にドライブを割り当てて移動 |
| popd | 割り当てを解除して元の場所に戻る |
作業が終わったらpopdと入力して終了すれば、元の状態に戻ります。
バッチファイル(.bat)などを作成する場合も、このセットを覚えておくと非常に便利です。
恒久対策「ネットワークドライブの割り当て」手順
毎日使う共有フォルダなら、毎回pushdを入力するのは面倒ですよね。
そんなときは、Windows標準機能のネットワークドライブ割り当てを使いましょう。
これは、指定したUNCパスに固定のドライブレター(例:Z:)を紐づける設定です。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| ① | エクスプローラーを開き、「PC」をクリック |
| ② | 上部メニューの「…」→「ネットワークドライブの割り当て」を選択 |
| ③ | ドライブを選び、フォルダー欄にUNCパスを入力(例:\\192.168.1.10\share) |
| ④ | 「サインイン時に再接続する」にチェックを入れて「完了」 |
これで、PCを再起動しても設定が維持され、いつでもZドライブからアクセス可能になります。
「エラーを根本から消したい」なら、この方法が最も安定的です。
業務で毎日ネットワークドライブを使う方は、ぜひこの設定を定番化しておきましょう。
上級者向け:レジストリ設定によるUNCチェックの無効化
「どうしてもcdコマンドで移動したい」「スクリプトの仕様でドライブ文字を使えない」──そんな上級者向けの裏技もあります。
それが、DisableUNCCheckというレジストリキーを追加して、UNCチェックを無効化する方法です。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | スタート→「ファイル名を指定して実行」でregeditを入力 |
| ② | 以下の場所を開く:HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Command Processor |
| ③ | 新規 → DWORD(32ビット)値を作成し、名前を「DisableUNCCheck」に変更 |
| ④ | 値を「0」から「1」に設定して保存 |
これでUNCパスチェックが無効化され、cdコマンドでも移動可能になります。
ただし、Windowsの仕様を変更する行為なので、システム全体への影響を理解している方のみが実施するべきです。
一般ユーザーの方はpushdかネットワークドライブ割り当てを選びましょう。
それでも繋がらない時に確認すべき設定一覧

「pushd」も「ネットワークドライブ」も試したのに、まだ繋がらない……。
そんなときは、Windows側の細かな設定やセキュリティ機能が邪魔をしている可能性があります。
この章では、特にトラブルが多い5つのポイントを中心に、順番にチェックしていきましょう。
「SMB 1.0」通信制限による接続不可の対処法
古いNASや複合機にアクセスできない場合、原因の多くはSMB 1.0という古い通信方式にあります。
Windows 10後半以降では、セキュリティ強化のためにこの機能が無効化されています。
もし古いNASを使っているなら、次の手順で一時的に有効化できます。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | スタートメニューで「Windowsの機能の有効化または無効化」を検索して開く |
| ② | リストから「SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート」を探す |
| ③ | 「SMB 1.0/CIFS クライアント」にのみチェックを入れる(サーバーは不要) |
| ④ | OKを押し、再起動 |
これで接続できるようになれば、NAS側が古い規格に依存していることが分かります。
ただし、SMB 1.0はセキュリティリスクが非常に高いため、長期的にはNASの買い替えを検討してください。
「ネットワークプロファイル」や「資格情報」の見直し
接続できない場合、意外と見落としがちなのがネットワークの種類設定です。
自宅や社内ネットワークなのに「パブリックネットワーク」と認識されていると、Windowsが共有をブロックしてしまいます。
| 設定項目 | 確認方法 |
|---|---|
| ネットワークプロファイル | 設定 → ネットワークとインターネット → 接続名をクリック → 「プライベート」に変更 |
| 資格情報の確認 | コントロールパネル → 資格情報マネージャー → Windows資格情報から古い情報を削除 |
特にNASのパスワードを変更した後は、古い資格情報が原因で「アクセス拒否」と表示されることがあります。
古い認証情報を削除して再接続すれば解決するケースが多いです。
「セキュリティソフト」や「ゲストログオン」設定の確認
ウイルス対策ソフトがネットワーク共有を「不審な通信」と誤検知してブロックしている場合もあります。
一時的にファイアウォールを無効化して試し、接続できるなら「信頼済みネットワーク」として登録しましょう。
| ソフトウェア | 設定例 |
|---|---|
| ノートン / マカフィー | 「ファイアウォール設定」→「信頼するネットワーク」にNASのIPを追加 |
| ウイルスバスター | 「例外設定」→「共有フォルダの通信を許可」 |
また、Windows 11 Proを使用している場合は、ゲストログオンの制限も確認してください。
古いNASがユーザー名・パスワードなしで運用されている場合、この設定で接続が拒否されます。
対処法は次の通りです。
- 「gpedit.msc」を検索して開く
- 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「ネットワーク」→「Lanman ワークステーション」へ進む
- 「安全でないゲストログオンを有効にする」をダブルクリックし、「有効」に設定
この設定で繋がる場合は、ゲストアクセスが原因だったと判断できます。
ただし、社内ネットワークなどではセキュリティポリシーに注意しましょう。
プロが教える!コマンドラインでのネットワーク管理術

ここからは、少しステップアップした内容です。
マウス操作よりも効率的にネットワークドライブを扱いたい人、トラブルの原因を一瞬で特定したい人に向けて、プロが実際に使うコマンド操作を紹介します。
この章をマスターすれば、エラー発生時の切り分けや自動化スクリプト作成がぐっと楽になります。
「net use」コマンドで接続・切断を完全制御
net useコマンドは、Windowsに標準搭載されているネットワークドライブ管理ツールです。
接続、切断、ユーザー指定、永続化設定など、GUIでは時間がかかる操作を一行で実行できます。
| 目的 | コマンド例 | 解説 |
|---|---|---|
| ドライブとして接続 | net use Z: \\Server\Share |
Zドライブとして共有フォルダをマウント |
| ユーザーIDとパスワード指定 | net use Z: \\Server\Share password /user:username |
別のユーザーアカウントで接続 |
| 自動再接続を有効化 | net use Z: \\Server\Share /persistent:yes |
再起動後も接続を維持 |
| 切断 | net use Z: /delete |
ドライブの割り当てを解除 |
| 全ての接続を解除 | net use * /delete |
トラブル時のリセットに便利 |
特に「net use * /delete」は、複数の接続が競合しているときの最強リセットコマンドです。
「複数のユーザー名での接続は許可されません(エラー1219)」が出たときは、これを試してから再接続してみましょう。
エラーコード別トラブル診断表
net useコマンドを実行した際、数字付きのエラーが表示されることがあります。
これらの数字(システムエラーコード)は、Windowsからのヒントです。
次の表で代表的なコードの意味を把握しておきましょう。
| エラーコード | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 53 | ネットワークパスが見つからない | サーバー名やIPを再確認し、pingコマンドで通信を確認 |
| 5 | アクセスが拒否された | ユーザー権限や資格情報を確認。NAS側のアクセス許可も見直す |
| 1219 | 複数のユーザーで接続している | net use * /deleteで全接続を解除してから再接続 |
もしどのコマンドを試しても状況が変わらない場合は、セキュリティソフトやWindowsのグループポリシーが関係している可能性があります。
その場合は次章で紹介する「古いNASの見直し」や「安全な移行先」も含めて検討してみましょう。
古いNASを使っている方へ:セキュリティと寿命の注意点

「とりあえず繋がったから大丈夫」と思っていませんか?
実は、数年前のNASや共有サーバーを無理やり繋いで使い続けるのは、非常に危険です。
この章では、古いNASに潜むリスクと、今すぐできる安全対策について解説します。
SMB 1.0を使い続けるリスクとは?
前の章で紹介したSMB 1.0は、かつて一般的だったファイル共有プロトコルですが、現在は深刻な脆弱性が多数発見されています。
特に2017年に世界中で流行したランサムウェア「WannaCry」は、このSMB 1.0の欠陥を悪用して感染を拡大しました。
もしSMB 1.0を有効にしたままインターネットに接続していると、外部からの攻撃を受ける危険性があります。
「使えるようになった=安全」ではないという点を、しっかり理解しておきましょう。
| 状態 | リスク | 推奨対応 |
|---|---|---|
| SMB 1.0を使用中 | ウイルス感染、データ流出の可能性 | 早期のNAS買い替えを検討 |
| SMB 2.0以降を使用中 | 安全(推奨) | そのまま利用可能 |
どうしても古いNASにアクセスする必要がある場合は、以下のような工夫をしましょう。
- 社内ネットワークのみに接続し、外部インターネットには接続しない
- アクセス権限を最小限にする(全員フルアクセスは禁止)
- 共有フォルダを限定して公開する
安全なNAS・クラウドストレージへの移行提案
もしNASが5年以上前のモデルなら、ハードウェア的にも限界が近い可能性があります。
HDDの寿命は平均3〜5年と言われており、常時稼働しているNASはさらに負担が大きいです。
大切な業務データを守るためにも、今後の運用を見直す時期かもしれません。
最近では、セキュリティと利便性を両立したNAS・クラウドサービスが増えています。
| 選択肢 | 特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| Synology NAS | 最新SMB対応、クラウド連携機能あり | 小規模オフィスに最適 |
| QNAP NAS | 高性能で仮想環境にも対応 | 開発者・中規模企業向け |
| OneDrive / Googleドライブ | インターネット経由でどこでもアクセス | バックアップ不要で安全 |
設定やデータ移行が不安な場合は、専門のサーバー保守サービスを利用するのも良い方法です。
月額数千円で設定・監視・トラブル対応をすべて任せられるサービスもあり、IT担当者がいない企業でも安心です。
「今動いているから大丈夫」ではなく、「いつ止まっても復旧できる体制」を整えることが、これからのデータ管理の鍵になります。
まとめ:UNCパスエラーは「理解」と「回避ルート」で完全克服できる
ここまで「UNCパスはサポートされません」エラーの原因と、その具体的な対処法を一通り見てきました。
最初は難しく感じたかもしれませんが、仕組みを理解すればもう怖くありません。
最後に、この記事で紹介したポイントを整理しておきましょう。
| 対処法 | 内容 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| pushdコマンド | その場で一時的にドライブを作成しアクセス | ★★★★★ |
| ネットワークドライブ割り当て | Zドライブなどを固定して再発防止 | ★★★★★ |
| レジストリ変更 | UNCチェックを無効化する上級者向け設定 | ★★☆☆☆ |
| SMB 1.0設定 | 古いNAS接続用の緊急回避(非推奨) | ★☆☆☆☆ |
また、接続できないときは次のチェックリストを思い出してください。
- ネットワークプロファイルが「プライベート」になっているか?
- 資格情報が古くなっていないか?
- セキュリティソフトが通信をブロックしていないか?
- SMB 1.0のような旧規格を使っていないか?
UNCパスエラーの正体は「Windowsの仕様」や「通信規格の違い」であり、あなたの操作ミスではありません。
つまり、原因を知り、回避ルートを理解すれば、誰でも確実に対処できます。
そして、もし古いNASやサーバーを使っている場合は、これを機にセキュリティとデータ保護の観点から環境を見直すチャンスです。
今後は、最新プロトコル対応のNASやクラウドストレージを使うことで、より安全でスムーズな運用ができます。
焦らず、一つずつ確認することが何よりの近道です。
この記事があなたのトラブル解消と、より快適な作業環境づくりの助けになれば幸いです。

