Windows Update KB5126655は、2026年10月13日に公開されたWindows Server 2022向けの累積セキュリティ更新です。
「不具合はあるのか」「すぐ適用して大丈夫なのか」と確認したい管理者向けに、対象OSや主な修正内容、WSUSの既知の問題、再起動、オフライン更新の注意点を整理します。
NTLM監査やReFSを利用している環境で適用後に確認したいポイントまで把握できるので、更新前の判断材料として活用してください。
Windows Update KB5126655はWindows Server 2022向けのセキュリティ更新
KB5126655をひと目で確認
KB5126655は、2026年10月13日に公開されたWindows Server 2022向けの累積セキュリティ更新プログラムです。
適用後のOSビルドは20348.5761となり、セキュリティ修正だけでなく、NTLM監査やReFS、Storage Spaces Directなど複数の変更が含まれます。
「自分のサーバーが対象なのか」「今月の更新として適用すべきなのか」を確認したい場合は、まず対象OSと基本情報を押さえておくと判断しやすくなります。
対象OS・公開日・OSビルド・容量を確認
Microsoftの公式サポートによると、KB5126655の対象はWindows Server 2022です。
Microsoft Update Catalogでは「Microsoft Server operating system version 21H2」のx64ベースシステム向けSecurity Updatesとして配布されています。
| 確認項目 | KB5126655の内容 |
|---|---|
| KB番号 | KB5126655 |
| 公開日 | 2026年10月13日 |
| 対象OS | Windows Server 2022 |
| アーキテクチャ | AMD64/x64 |
| 適用後のOSビルド | 20348.5761 |
| Catalogのパッケージ容量 | 584.6MB/612,997,918 bytes |
| 対応SSU | KB5126654/20348.5739 |
KB5126655はWindows 11向けの更新ではありません。
検索結果やKB番号だけを見て「手元のWindows PCにも必要なのかな」と迷った場合は、まずOS名を確認してください。
また、584.6MBという数字はMicrosoft Update Catalogに掲載されているスタンドアロンパッケージの容量です。
Windows Update経由で各サーバーが実際に受け取るデータ量まで、必ず584.6MBになるという意味ではありません。
KB5126655は適用すべきかを先に判断
Windows Server 2022を運用している環境では、KB5126655は2026年10月のセキュリティ更新として適用対象を確認すべき更新です。
この更新には最新のセキュリティ修正に加え、NTLM監査の強化、ReFS外部メディアへの対策、Storage Spaces DirectやUSB Audio Class 1.0に関する修正などが含まれています。
「特に困っていないから見送っていいのでは」と感じる場面もありますが、KB5126655は単なる機能追加ではなくセキュリティ更新を含む累積更新です。
一方で、すべての環境に対して何も確認せず即時適用すればよい、とまでは言い切れません。
WSUSには既知の問題が残っており、オフラインイメージを更新する場合にはSSUなどの前提条件もあります。
再起動についてもMicrosoft Update Catalogの表記は「Can request restart」で、通常環境すべてに必ず再起動が発生すると断定できる状態ではありません。
つまり、対象OSであれば更新候補から外すのではなく、不具合と導入条件を確認したうえで適用を判断するのがポイントです。
KB5126655の主な変更点と修正内容
KB5126655で変わる4つのポイント
KB5126655では、セキュリティ対策の強化と、Windows Server 2022で発生していた複数の不具合修正が行われています。
とくに管理者が押さえておきたいのは、NTLM監査、外部メディア上のReFS、Storage Spaces Direct、USB Audio Class 1.0に関する変更です。
更新内容をひとつずつ追うよりも、「運用中の環境に影響する変更があるか」という視点で確認すると判断しやすくなります。
NTLM監査とReFS外部メディアのセキュリティを強化
KB5126655を含む2026年10月13日以降の更新では、Windows Server 2022で強化されたNTLM監査を利用できるようになりました。
これにより、どのユーザーや端末がNTLMを利用しているのか、どの場所で認証が発生しているのかを把握しやすくなります。
「Kerberosへ移行したいけれど、どこがNTLMに依存しているのか分からない」という環境では、依存関係を洗い出す手掛かりになります。
なお、新しい監査機能を使っても、従来のNTLM監査ログが置き換えられるわけではありません。
すでに従来の監査を有効にしている場合は、そのログも引き続き記録されます。
ReFSでは、外部接続やリムーバブルメディア上のボリュームに対する安全対策が段階的に強化されます。
2026年10月の段階では監査が既定で有効になり、ブロックはまだ既定では有効になっていません。
対象となるアクセスはSystemログにSourceがReFS、Event IDが524のWarningとして記録されます。
1回の起動につき、監査対象として追跡される外部ボリュームは最大32個です。
2027年1月のセキュリティ更新からは、設定を変更していない環境でブロックも既定で有効になる予定です。
現在ReFSを外付けメディアで使っている場合は、2026年10月時点の監査ログを確認しておくと、その後の運用変更に備えやすくなります。
Storage Spaces DirectとUSB Audioの不具合を修正
KB5126655では、Storage Spaces Directの仮想ディスクが更新後もオフラインのままになる問題が修正されています。
復旧処理中に、本来は正常な階層化ストレージのメタデータが不正と判断されることがあり、その影響で仮想ディスクや依存するワークロードをオンラインへ戻せない場合がありました。
Storage Spaces Directを使っているサーバーでは、今回の更新内容の中でも運用への影響が大きい修正です。
USB Audio Class 1.0についても、2026年9月の更新後に発生していた問題が修正されています。
対象環境では、Code 10でデバイスを開始できない、音が出ない、音量が0から動かない、サウンド設定が応答しないといった症状が発生していました。
これらのUSB Audio Class 1.0に関する問題は、KB5126655を含む2026年10月13日以降の更新で解消されています。
そのほか、今回の更新には次の変更も含まれます。
- AD FSのDKM ACLが安全でない状態の場合、既定で自動修復するように変更
- Windowsに含まれるcURLを8.21.0へ更新
- British ColumbiaとAlbertaの恒久的なDaylight Savings Time対応を追加
- Manitoba向けの新しいタイムゾーンを追加
AD FSを利用している環境では、DKMコンテナーのアクセス制御が自動修復される点も見逃せません。
自動修復を行わせたくない場合はRemediateDkmAclを0にする選択肢がありますが、セキュリティ上の変更なので理由を確認したうえで判断する必要があります。
KB5126655の不具合・既知の問題と注意点
適用前に確認したい注意点
KB5126655で公式に案内されている既知の問題は、WSUSで同期エラーが発生した際に詳細情報を確認できない点です。
通常の更新だけでなく、オフラインOSイメージへ適用する管理者は、SSUやboot.stlの前提条件も確認しておく必要があります。
「不具合があるなら更新を止めるべきか」と判断する前に、どの条件で問題が起きるのかを切り分けて確認しましょう。
WSUSでは同期エラーの詳細が表示されない
KB5126655の公式情報では、WSUSで同期エラーが発生した際、その詳細が表示されない既知の問題が案内されています。
この状態はKB5070884以降の更新を導入した環境で続いており、CVE-2025-59287への対策としてエラー報告機能の一部が一時的に削除されたことが原因です。
注意したいのは、「WSUSそのものが同期できなくなる不具合」とは説明されていない点です。
確認されているのは、同期エラーが起きたときに、その原因を示す詳細情報が表示されないという制限です。
月例更新の確認中にWSUSでエラーを見つけても、「KB5126655を入れたから同期不能になった」とすぐに結論づけないほうが安全です。
Microsoftの2026年10月13日時点の案内では、この問題は解決済みとはされていません。
WSUSを使う環境では、更新自体の配信可否と、エラー詳細を表示できない問題を分けて考えることがポイントです。
オフライン更新ではSSUとboot.stlの条件に注意
通常のWindows Updateではなく、オフラインOSイメージを更新する場合には前提となるサービススタックを確認する必要があります。
対象イメージにはKB5030216、またはそれ以降の累積更新プログラムが含まれ、SSUが20348.1960以上になっている必要があります。
この条件を満たしていない場合は、0x800f0823が発生する可能性があります。
| 確認する項目 | 必要な条件・注意点 |
|---|---|
| オフラインOSイメージ | KB5030216以降のLCUを含める |
| 最低SSU | 20348.1960以上 |
| 前提不足時の代表エラー | 0x800f0823 |
| Dynamic Update | Windowsのバージョンとアーキテクチャに一致したboot.stlが必要 |
| boot.stl不備時 | 0xc0430001で起動できない可能性がある |
Dynamic Updateを既存のWindowsイメージへ展開する場合は、インストールメディアにboot.stlが含まれているかも確認します。
boot.stlは対象となるWindowsのバージョンとアーキテクチャに一致している必要があります。
boot.stlが不足している、または適切でない場合は、0xc0430001で起動できなくなる可能性があります。
夜間のメンテナンスでイメージ更新までまとめて進める場合、「月例パッチだからいつも通りでいい」と前提確認を省くと、原因調査に時間を取られます。
オフライン展開を行う環境では、KB5126655そのものだけでなく、SSUとインストールメディアの条件までセットで確認してください。
再起動については、Microsoft Update Catalogでは「Can request restart」とされており、すべてのWindows Server 2022で必ず必要になるとは断定できません。
ただし、Windows Server 2022 Datacenter: Azure EditionのHotpatch対象環境では、2026年10月更新はstandard updateとして提供されるため再起動が必要です。
KB5126655のインストール方法と適用前後の確認
KB5126655適用の流れ
KB5126655は、Windows Update、Windows Update for Business、Microsoft Update Catalog、WSUSから導入できます。
通常の月例更新と同じ経路で配布されますが、WSUSを使う環境では製品と分類の設定を確認しておくと、配信対象から外れている原因を切り分けやすくなります。
適用後は更新履歴を見るだけで終わらせず、ReFSやNTLMを使う環境に今回の変更が影響していないか確認するのが実務上のポイントです。
Windows Update・Catalog・WSUSからインストールする
通常のWindows Server 2022では、Windows UpdateからKB5126655を取得してインストールできます。
組織で更新管理を行っている場合はWindows Update for BusinessやWSUSを利用でき、手動導入が必要な場合はMicrosoft Update Catalogからスタンドアロンパッケージを入手できます。
| 導入方法 | 確認ポイント |
|---|---|
| Windows Update | 通常の更新確認から取得する |
| Windows Update for Business | 組織の更新ポリシーに従って配信する |
| Microsoft Update Catalog | KB5126655のx64向けパッケージを確認する |
| WSUS | ProductとClassificationの設定を確認する |
WSUSでは、ProductがMicrosoft Server operating system-21H2、ClassificationがSecurity Updatesとして同期されます。
「ほかの月例更新は見えるのにKB5126655だけ見つからない」という場合は、まずこの2項目が同期対象になっているか確認すると切り分けやすくなります。
Microsoft Update Catalogから手動導入する場合は、対象がWindows Server 2022のx64環境であることを確認してから適用してください。
Catalog上の584.6MBはスタンドアロンパッケージの容量なので、Windows Update経由の実際の転送量とは分けて考える必要があります。
適用後はReFSとNTLM関連の影響を確認する
KB5126655適用後は、今回変更された機能のうち自社環境で使っているものを絞って確認すると効率的です。
外付けメディア上でReFSを利用している場合は、SystemログにReFSのEvent ID 524が記録されていないか確認します。
2026年10月時点では監査が既定で有効になっているため、このイベントを手掛かりに将来ブロック対象となる構成を事前に把握できます。
たとえば月曜の朝、更新後のサーバー確認でサービスだけを見て「正常」と判断すると、普段は接続しない外部ReFSボリュームの影響を見落とすことがあります。
外部ストレージを運用している環境では、イベントログまで確認対象に含めておくほうが安全です。
NTLMを利用している環境では、強化された監査情報を使ってどのユーザーや端末、サーバーがNTLMへ依存しているかを調べられます。
従来のNTLM監査ログも引き続き利用できるため、既存の調査方法を捨てて新しい仕組みへ切り替える必要はありません。
更新が正常終了したかだけではなく、ReFSの監査イベントとNTLMの利用状況まで確認すると、今回の変更を次の運用改善につなげられます。
Windows Update KB5126655の重要ポイントまとめ
KB5126655 最終チェック
Windows Server 2022向けの累積セキュリティ更新です。
WSUSでは同期エラーの詳細が表示されない問題があります。
オフライン更新ではSSUやboot.stlの条件を確認します。
ReFSのEvent ID 524やNTLMの監査情報など、自社環境に関係する変更を確認します。
KB5126655は、Windows Server 2022を対象に2026年10月13日に公開された累積セキュリティ更新プログラムです。
適用後のOSビルドは20348.5761となり、NTLM監査やReFSのセキュリティ強化、Storage Spaces DirectとUSB Audio Class 1.0の不具合修正などが含まれています。
Windows Server 2022を管理しているなら、まず自社環境で今回の変更対象となる機能を使っているか確認してください。
WSUSでは同期エラーの詳細が表示されない既知の問題が残っているため、同期そのものが停止する問題と混同しないこともポイントです。
オフラインOSイメージへ導入する場合は、SSU 20348.1960以上などの前提条件を確認し、Dynamic Updateではboot.stlにも注意します。
業務サーバーへ適用する前に、既知の問題、更新方法、再起動の扱い、利用中の機能への影響まで確認しておくと、更新後のトラブルを切り分けやすくなります。
適用後は更新の成功だけを見るのではなく、外部ReFSを利用する環境ではEvent ID 524、NTLMを利用する環境では監査情報まで確認しておきましょう。
【参考・出典】
- Microsoft Support「October 13, 2026—KB5126655 (OS Build 20348.5761)」
- Microsoft Update Catalog「KB5126655 Update Details」
- Microsoft Support「Overview of NTLM auditing enhancements in Windows 11, version 24H2, Windows Server 2019, and later versions」
- Microsoft Support「Hardening changes for ReFS volumes on removable media」
- Microsoft Support「September 14, 2026—KB5129237 (OS Build 20348.5631) Out-of-band」

