水彩絵の具セットには基本色はそろっていますが、金色は入っていないことが多いですよね。
しかし、少し工夫すれば手持ちの絵の具で「金色っぽい色」を作り出すことができます。
この記事では、黄色や茶色をベースにしたシンプルな混色から、黄土色やオレンジを加えた応用テクニック、さらには銀色やラメを活用した方法まで幅広く紹介します。
また、ただ色を作るだけではなく、光と影の塗り分けで立体感を演出するコツや、安く手に入る代用品の活用法も解説。
「どうすれば金色らしく見えるのか?」という疑問を解消し、自分だけの理想の金色を表現できるようになります。
趣味のイラストや子どもとのお絵描き、美術の課題など、さまざまなシーンで役立つはずです。
ぜひこの記事を参考に、身近な絵の具で金色を再現してみてください。
水彩絵の具で金色を作れるのか?
水彩絵の具セットを開けてみると、赤・青・黄色など基本色はそろっていますが、金色は見当たりませんよね。
では「普通の絵の具で金色は作れるのか?」という疑問が湧くと思います。
この章では、そもそもなぜ金色が入っていないのか、そして色として再現する難しさについて解説します。
なぜ絵の具セットに金色が含まれていないのか
市販の絵の具セットに金色がないのは、単純に「混色で完全に作り出せない色」だからです。
金色や銀色は「メタリックカラー」と呼ばれ、光を反射する特殊な顔料を使って作られています。
つまり、普通の赤や青のように色の三原色を混ぜても、同じような輝きを出すことはできません。
ここが、金色を作るときの最大のハードルです。
普通の色 | 金色・銀色 |
---|---|
三原色を混ぜれば作れる | 光を反射する顔料が必要 |
水彩絵の具に必ず含まれている | 通常のセットには入っていない |
金色表現の仕組みと難しさ
金色は「色」だけでなく「質感」が重要です。
紙の上にただ黄色や茶色を塗っただけでは、黄金の輝きには見えません。
そこで、色の濃淡を工夫したり、ラメを足したりすることで「それっぽい金色」に近づけるのが一般的です。
つまり、金色を再現するカギは“色の組み合わせ+光沢表現”にあるのです。
基本の水彩絵の具でできる金色の作り方
ここからは、手元にある絵の具を使って「できるだけ金色っぽく見える色」を作る方法を紹介します。
特別なメタリック絵の具を持っていない人でも実践できる簡単な混色方法です。
黄色+茶色で作るシンプルな金色
もっとも基本的でおすすめなのが「黄色と茶色を混ぜる」方法です。
黄色を2、茶色を1の割合で混ぜると、落ち着きのあるゴールド風の色になります。
さらに、光が当たる部分には白を混ぜてハイライトを作ると、より金色に近づきます。
比率 | 仕上がりイメージ |
---|---|
黄色2:茶色1 | 基本の金色 |
黄色多め | 鮮やかで明るい金色 |
茶色多め | アンティーク風の落ち着いた金色 |
黄色+銀色で輝きを出す方法
もし手元に銀色の絵の具があるなら、黄色を混ぜることで一気に「輝き感」が出ます。
銀色1に対して黄色を2混ぜるのが目安です。
また、オレンジ系の黄色を加えると、より本物の金に近い深みが出ます。
銀色をベースに黄色を重ねる方法は、もっとも「本物っぽい金色」に見えるテクニックです。
混色方法 | 効果 |
---|---|
銀1:黄2 | きれいな金色 |
銀1:黄2+オレンジ少量 | 深みのあるゴールド |
もっと本格的に!色の組み合わせ応用テクニック
基本の黄色や茶色だけでは物足りないと感じたら、他の色を組み合わせてバリエーションを広げましょう。
この章では、明るい金色や落ち着いたアンティーク風など、雰囲気に合わせた応用的な調色方法を紹介します。
黄土色+黄色+白で明るい金色を作る
黄土色は「土っぽい黄色」で、金色に自然な深みを与えてくれます。
黄土色2:黄色1:白1の割合で混ぜると、光を浴びたような明るい金色に仕上がります。
白を入れすぎると色がくすむので、少しずつ加えるのがコツです。
色の組み合わせ | 特徴 |
---|---|
黄土2+黄1+白1 | 柔らかく明るい金色 |
黄土多め | 落ち着いたゴールド |
白多め | ややパステル風の金色 |
黄土色+茶色+グレーで落ち着いた金色を表現
シックでアンティーク風の金色を描きたいなら、黄土色をベースに茶色とグレーを加えるのがおすすめです。
黄土2:茶1:グレー1の比率で混ぜると、陰影のある深みのある金色ができます。
特に影を描くときに役立つので、立体的な質感を出したいときに試してみてください。
比率 | 雰囲気 |
---|---|
黄土2:茶1:グレー1 | アンティーク調の落ち着いた金色 |
茶多め | より濃いゴールド |
グレー多め | くすんだ渋い金色 |
オレンジ+黄色+白で鮮やかな金色を作る
「明るく華やかな金色」を目指すなら、オレンジと黄色を組み合わせるのが効果的です。
オレンジ2:黄色4:白1が目安で、白は最後に少しずつ加えるのがポイントです。
お祝いのイラストやポスターなど、目立たせたいときにぴったりの金色です。
比率 | 仕上がり |
---|---|
オレンジ2:黄4:白1 | 鮮やかで明るい金色 |
黄多め | より明るく華やか |
オレンジ多め | 赤みのある金色 |
市販の絵の具や代用品を活用する方法
混色だけで金色を再現するのは限界があります。
そんなときは市販の金色絵の具や、意外な代用品を取り入れるのもおすすめです。
メタリックカラーや専用の金色絵の具を使う
画材屋やネットショップでは、すでに完成された金色の絵の具が販売されています。
手間をかけずに金色を描きたいなら、この専用絵の具を使うのが一番簡単です。
ただし、そのまま塗ると「平面的」に見えるので、茶色や白を重ねて陰影をつけるとリアルさが増します。
商品タイプ | 特徴 |
---|---|
メタリック水彩 | ラメ感のある輝き |
アクリル系ゴールド | カバー力が高くしっかり発色 |
固形絵の具タイプ | 扱いやすく初心者向け |
化粧品用ラメやネイルパウダーを取り入れる
実は、ドラッグストアや100円ショップで手に入るラメやネイル用のパウダーも、金色表現に役立ちます。
絵の具と混ぜたり、乾いた後に上から振りかけるだけで、一気に輝きが増します。
安く手軽に試せるので、本格的な画材を買う前のお試しにも最適です。
代用品 | 使い方 |
---|---|
ネイル用ラメ | 絵の具に混ぜる or 上から振りかける |
アイシャドウ | 乾いた絵の具の上から塗布する |
ネイルパウダー | 少量混ぜると偏光感を出せる |
仕上がりをリアルに見せるコツ
せっかく金色を作っても、平面的に見えてしまうと魅力が半減します。
ここでは、光沢感や立体感を引き出すためのちょっとした工夫を紹介します。
光と影を意識した塗り分け方
金色は「光の反射」で輝いて見える色です。
そのため、明るい部分と暗い部分をきちんと塗り分けることが大切です。
黄色や白を使って光が当たっている部分を表現し、茶色やグレーで影を加えると、ぐっと立体的になります。
単なる色ではなく「光を描いている」と意識すると、リアルな金色に近づきます。
使う色 | 役割 |
---|---|
黄色・白 | 光が当たっている部分 |
茶色・グレー | 影や暗い部分 |
黄土色 | 中間のつなぎ色 |
白や茶色を使った色味の調整方法
描いてみると「思ったより黄色っぽい」「逆に暗すぎる」と感じることもあります。
そんなときは、白や茶色で微調整すると仕上がりがぐっと良くなります。
白はハイライトを強調して光沢感を出し、茶色はアンティーク感をプラスします。
特に金属のような立体物を描くときは、この微調整が仕上がりの完成度を左右します。
調整方法 | 効果 |
---|---|
白を少量足す | 光沢感アップ・明るさ調整 |
茶色を少量足す | 深みのあるアンティーク調 |
両方を使い分ける | 立体感を演出 |
まとめ|自分だけの金色を見つけよう
水彩絵の具だけで「本物そっくりの金色」を作るのは難しいですが、工夫次第で十分に金色らしく表現できます。
黄色+茶色や黄色+銀色といった基本の混色に加え、黄土色やオレンジを取り入れることで、明るい金色からアンティーク調まで自在に作り分けられます。
さらに、市販の金色絵の具やネイル用ラメを使えば、輝きをよりリアルに再現できます。
大事なのは「光と影を意識して塗ること」。
これさえ押さえれば、どんな色の組み合わせでも金色らしく仕上げることができます。
ぜひいろいろな配色を試して、自分だけの理想の金色を見つけてください。
方法 | ポイント |
---|---|
黄色+茶色 | シンプルな基本の金色 |
黄色+銀色 | 輝きを出せる組み合わせ |
黄土色やオレンジを加える | バリエーションが広がる |
ラメやネイルパウダー | 手軽に光沢感アップ |