2025年11月に配信されたGeForce Game Readyドライバ 581.80では、最新GPUへの最適化が進む一方で、複数の不具合報告が寄せられています。
『Forza』シリーズでGPUが認識されない問題や、『龍が如く8』のライトちらつき、ブラックスクリーンなど、ユーザーの環境によって症状が異なる点も特徴です。
この記事では、NVIDIA公式が公表した既知の不具合から、海外フォーラムでの実際のユーザー報告、そして具体的な対処法までを総まとめ。
581.80ドライバの安定性を正しく理解し、あなたのPC環境に最適な選択をするための完全ガイドとしてご活用ください。
GeForce Game Readyドライバ 581.80の概要と注目ポイント

ここでは、NVIDIAがリリースしたGeForce Game Readyドライバ 581.80の概要と、注目すべき変更点について解説します。
このバージョンは、最新のGeForce RTX 5000シリーズに対応した最適化が行われた一方で、一部のユーザーから不具合報告も上がっています。
今回のアップデート内容と対象GPU
581.80 WHQLドライバは、2025年11月初旬にリリースされ、主に最新世代のGeForce RTX 5000シリーズを対象としています。
また、DirectX 12環境下での最適化や、いくつかの新作タイトル向けGame Ready対応も含まれています。
| 対象GPUシリーズ | 最適化対象タイトル |
|---|---|
| GeForce RTX 5000シリーズ | Call of Duty: Black Ops III、ARC Raiders |
| GeForce RTX 4000シリーズ | 龍が如く8、Forza Horizon 3 など |
これにより、最新ゲームでの描画効率やレイトレーシング性能が向上しましたが、特定条件下では動作の不安定さも報告されています。
前回581.57との違い
前回の581.57ドライバと比べると、パフォーマンス改善よりも安定性とバグ修正を重視した内容になっています。
ただし、一部のユーザーからは581.57より不安定になったという報告も出ています。
| バージョン | 主な特徴 |
|---|---|
| 581.57 | 初期のRTX 5000シリーズ対応。安定性は高め |
| 581.80 | パフォーマンス向上だが、一部タイトルで不具合報告あり |
581.80は性能向上を目的とした中間リリースだが、環境によっては安定性に課題があるといえるでしょう。
NVIDIA公式が公表している既知の不具合一覧

次に、NVIDIA公式リリースノートおよびフォーラムで報告されている既知の不具合を整理します。
これらはすべて公式に確認されている問題で、今後のアップデートで修正予定とされています。
『Counter-Strike 2』でのテキスト歪み問題
『Counter-Strike 2』をモニターのネイティブ解像度より低い設定でプレイすると、テキストが歪んで表示される不具合が報告されています。
この問題はスケーリング処理のバグが原因とされ、現時点では解決策はなく、NVIDIAが修正版を準備中です。
| 発生環境 | 症状 | 対処法 |
|---|---|---|
| 一部モニター / 解像度設定変更時 | テキストが滲む、歪む | ネイティブ解像度でプレイ |
『龍が如く8』で発生するライトちらつき現象
ドラゴンエンジンを使用する『龍が如く8』では、特定のシステム構成でライトがちらつく問題が確認されています。
特にRTX 4000/5000シリーズ環境で顕著に発生しており、描画エンジンとドライバ間の互換性が原因とみられます。
| 発生タイトル | 症状 | 修正予定 |
|---|---|---|
| 龍が如く8、ジャッジアイズなど | ライトや影が点滅する | 2025年11月後半予定のドライバで修正 |
NVIDIAは次回ドライバで修正を予定しており、ユーザーはアップデートを待つのが最善策としています。
このように、公式に認められている不具合は限定的ですが、実際のユーザー環境では他にも問題が報告されています。
次の章では、コミュニティで共有されているユーザー報告の不具合について詳しく見ていきましょう。
ユーザー報告で確認された不具合と傾向分析

ここでは、海外フォーラムやSNSなどで報告されているGeForce Game Readyドライバ 581.80に関するユーザー不具合を整理します。
公式発表には含まれないものの、実際の利用環境で多くのユーザーが体験している問題を中心に紹介します。
ForzaシリーズでGPUが認識されない問題
『Forza Motorsport 6: Apex』『Forza Horizon 3』などのタイトルで、GPUが非対応と表示され起動できないという報告が複数上がっています。
特にRTX 5090ユーザーからの報告が多く、エラーコード「AP204」が共通して確認されています。
| 対象タイトル | エラー内容 | 原因 |
|---|---|---|
| Forza Motorsport 6 / 7、Forza Horizon 3 | GPU非対応 (AP204) | DirectX 12ランタイム更新の影響 |
この不具合はドライバ側の問題ではなく、Windows UpdateによりD3D12ランタイムが更新された際に発生した仕様変更によるものとNVIDIAが説明しています。
ランタイムの更新によって「Tiled Resources Tier 4」に非対応な構成ではゲームが動作しなくなったという技術的な要因が確認されています。
ブラックスクリーンとGPUファン100%化現象
581.80に更新後、ゲーム中に突然画面が真っ黒になり、GPUファンが100%で回転し続ける現象が報告されています。
これはRTX 4090およびRTX 5090ユーザーの間で特に多く、強制再起動しなければ復帰できないケースもあります。
| ハードウェア構成 | 原因候補 | 改善例 |
|---|---|---|
| RTX 4090 / 5090 | 16ピン変換ケーブルの接触不良 | 電源付属ケーブルへの交換で改善報告あり |
興味深いのは、グラボ付属の16ピン変換ケーブルが原因と疑われるケースが複数報告されている点です。
一方で、電源付属ケーブルを使用しても同様の現象が起きるケースもあり、ハードウェア依存の可能性が高いと考えられます。
ノートPC(RTX 5090 Laptop)でのフリーズ問題
ASUS ROG Strix SCAR 18などのハイエンドノートPCで、ログイン画面前にブラックスクリーンやちらつきが発生する問題が確認されています。
これは「Ultimate dGPUモード」時に発生し、Optimusモードでは再現しないという特徴があります。
| 発生条件 | 症状 | 暫定対策 |
|---|---|---|
| Ultimate dGPUモード / バッテリー駆動時 | ログイン前にブラックスクリーン | ACアダプタ接続またはドライバを580.88へ戻す |
この問題については、NVIDIAが現在調査中で、次期ドライバで修正予定と発表しています。
その他の報告(BF6クラッシュ・トレイアイコン問題など)
そのほかにも、『Battlefield 6』でのドライバクラッシュや、NVIDIAコントロールパネルのトレイアイコンが非表示にならない問題などが報告されています。
これらはシステム再起動やロールバックで一時的に改善する例もあります。
| 問題内容 | 影響範囲 | 対応状況 |
|---|---|---|
| BF6でnvlddmkmクラッシュ | RTX 5090 | 次回ドライバで修正予定 |
| トレイアイコン非表示不可 | 全環境 | 未修正(回避策なし) |
これらの報告から、581.80では高負荷時の安定性とUI関連機能の一部で問題が残ることが見えてきます。
不具合の原因と技術的背景を読み解く

ここからは、報告された不具合の背後にある技術的な要因について、分かりやすく解説します。
ドライバ単体のバグだけでなく、OSやハードウェア構成の変更が関係している場合もあります。
DirectX 12ランタイム更新の影響
2025年9月末のWindows Updateで、DirectX 12(D3D12)ランタイムに大幅な変更が加えられました。
この更新により「Tiled Resources Tier 4」がサポートされた一方で、ハードウェア側が未対応の場合にゲームがクラッシュするケースが確認されています。
| 要素 | 更新内容 | 影響 |
|---|---|---|
| D3D12ランタイム | Tier 4対応追加 | 一部ゲームが未対応GPUで起動不可 |
つまり、ドライバ581.80は新しいD3D12仕様に対応しているが、ゲーム側が追従できていないという構図です。
一時的に古いドライバへロールバックすることで解決するケースもあります。
16ピンケーブルによる電力供給トラブルの可能性
RTX 4000/5000シリーズでは、新規格の12VHPWR(12V-2×6)ケーブルが採用されています。
このコネクタは高電力を扱うため、わずかな接触不良でも瞬間的に電圧が低下し、GPUが保護動作を起こすことがあります。
| ケーブル種別 | 特徴 | 安定性 |
|---|---|---|
| グラボ付属16ピン変換 | 8ピン→12V-2×6変換、可動部多い | 低い(不具合報告あり) |
| 電源付属16ピンケーブル | 一体型構造で接点が安定 | 高い(安定報告多数) |
このため、グラボ付属ケーブルは使用を避け、電源付属ケーブルに交換するのが推奨とされています。
もし電源交換後も症状が続く場合は、BIOSでPCIe設定を「Auto」から「Gen4」へ固定することで改善する可能性があります。
ハードウェアとソフトウェア双方の要因が重なり、不具合が発生している点が581.80の特徴といえるでしょう。
ドライバ581.80で不具合が出た場合の対処方法

ここでは、GeForce Game Readyドライバ 581.80で発生する不具合への具体的な対処法を紹介します。
症状によって原因が異なるため、自分の環境に合わせて段階的に試すのがポイントです。
RTX 5000シリーズ向けの推奨設定と対処手順
最新のRTX 5000シリーズでは、ブラックスクリーンやちらつき、GPU認識エラーが比較的多く報告されています。
以下の手順を順番に試して、安定動作を確認しましょう。
| 対処ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① ドライバのロールバック | 安定していたバージョン(例:580.88)に戻す |
| ② モニター設定を変更 | リフレッシュレートを60Hzに設定 |
| ③ 接続ポートを変更 | DisplayPortを別スロットに変更(マルチモニターの場合は1枚に絞る) |
| ④ BIOS設定の確認 | PCIe 5.0を使用している場合はPCIe 4.0に設定して再起動 |
これらを行うことで、一時的にブラックスクリーンや認識エラーが解消されるケースが多いと報告されています。
RTX 4000シリーズ以前の安定ドライバへのロールバック方法
RTX 4000シリーズ以前のモデルでは、ドライバ566.45 Hotfixまたは566.36 WHQLが比較的安定していると評判です。
これらのドライバに戻すことで、多くの不具合が解消されています。
| 安定ドライバ | 特徴 | ダウンロード先 |
|---|---|---|
| 566.45 Hotfix | ちらつき・クラッシュ修正。最も安定と評価 | NVIDIA公式サイト |
| 566.36 WHQL | 公式安定版。旧世代GPU向け | NVIDIA公式サイト |
ロールバック手順は以下の通りです。
- ① Display Driver Uninstaller(DDU)をダウンロードして実行
- ② 既存ドライバを完全に削除
- ③ 希望する安定版ドライバをクリーンインストール
注意: RTX 5000シリーズは570番台以降のドライバのみ対応のため、566系は使用できません。
Display Driver Uninstaller(DDU)の安全な使い方
DDUは、ドライバの残留データを完全に削除し、クリーンな状態から再インストールを行うためのツールです。
使い方を誤るとシステムに影響を与えることもあるため、以下の手順で慎重に実施しましょう。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| ① セーフモードで起動 | Windowsを再起動し、「セーフモード」を選択 |
| ② DDUを実行 | 「NVIDIA ドライバとPhysXを削除」を選択 |
| ③ 再起動後に新ドライバをインストール | クリーンインストールを選択して導入 |
DDUはドライバ関連の不具合を根本からリセットできる最強の手段ですが、常用は避け、トラブル時のみに使用するのが理想です。
安定動作を保つための予防策と今後のアップデート予定

不具合が発生した際の応急処置だけでなく、日常的にできる予防策を取っておくことで、トラブルを未然に防げます。
ここでは、NVIDIAの今後の対応と、ユーザーが実践できる安定運用のポイントを紹介します。
NVIDIAによる修正版ドライバリリース時期
NVIDIAは、公式フォーラムで「581.80の既知不具合を11月後半の新ドライバで修正予定」と発表しています。
この更新では、『龍が如く8』のライトちらつきや、BF6クラッシュ問題などが修正対象とされています。
| 対象不具合 | 修正予定時期 |
|---|---|
| 龍が如く8のちらつき | 2025年11月後半 |
| BF6ドライバクラッシュ | 同上 |
| トレイアイコン表示問題 | 未定 |
つまり、11月後半のアップデートを待つことで多くの不具合が自然解消する見込みです。
ユーザーが取るべき日常的なメンテナンス習慣
ドライバの安定性は、環境や設定によって大きく左右されます。
以下の習慣を実践することで、ドライバトラブルを大幅に減らすことができます。
| 習慣 | 目的 |
|---|---|
| 定期的なクリーンインストール | 不要データの蓄積防止 |
| Windows Updateの管理 | ランタイムの予期せぬ更新を防止 |
| 電源ケーブルと接点の点検 | 接触不良によるシャットダウン防止 |
特に新しいGPUを使用している場合、ケーブルやBIOS設定の見直しが安定化の鍵です。
小さなメンテナンスを習慣化することで、長期的に快適な動作を維持できます。
まとめ:581.80ドライバの安定性はどう評価すべきか
ここまで、GeForce Game Readyドライバ 581.80の不具合報告や原因、そして対処法を見てきました。
最後に、このドライバを今導入すべきか、それとも次回アップデートを待つべきかを整理します。
581.80は導入すべきか、それとも見送るべきか
581.80は性能向上を目的としたアップデートであり、特にRTX 5000シリーズの最新機能を有効活用したいユーザーにとっては魅力的です。
しかし、現時点で複数のタイトルにおいて不具合が報告されており、特にゲームプレイ中のブラックスクリーンやGPUファンの暴走など、致命的な問題も散見されます。
| 導入をおすすめするケース | 導入を見送るべきケース |
|---|---|
| 最新GPU(RTX 5090など)を利用しており、新機能を試したい場合 | 長時間の安定動作を重視する場合 |
| 特定の最新タイトル(BF6、CoDなど)での最適化を優先したい場合 | Forzaシリーズなど既知の不具合タイトルをプレイしている場合 |
安定性重視のユーザーは581.57以前のドライバに留めるのが無難ですが、検証目的であれば581.80の導入も価値があります。
次回ドライバに期待される改善点
NVIDIAは、次回11月後半リリース予定のドライバで、複数の既知不具合を修正予定です。
特に「龍が如く8」のライトちらつきや、BF6でのクラッシュ問題は最優先で解消される見込みです。
| 改善予定項目 | 期待される効果 |
|---|---|
| ドラゴンエンジン系ゲームの描画バグ修正 | ちらつき・ライト不具合の解消 |
| 高負荷時のブラックスクリーン問題 | GPU制御の安定化 |
| NVIDIAコントロールパネルのUI改善 | トレイアイコン動作の安定 |
これらの修正が反映されれば、581.80で報告された多くの問題は自然に解決されると考えられます。
つまり、581.80は“実験的な中間リリース”として捉え、次回アップデートでの安定化を待つのが最善といえるでしょう。
ドライバ更新は常にリスクと隣り合わせですが、適切なバックアップとロールバック手順を知っておけば、安心して最新環境を試すことができます。
今後も安定性や最適化の動向を注視しつつ、自分の環境に最適なドライバを選択していきましょう。

