Windows 11に乗り換えたら、いつもの定型文や顔文字が出てこない……そんな経験はありませんか。
実はそれ、古いPCで使っていたユーザー辞書がまだ移行されていないだけなんです。
この記事では、Windows 11でユーザー辞書を安全かつ確実に移行する方法を、初心者の方でも迷わないように分かりやすく解説します。
Microsoft IMEとGoogle日本語入力の両方に対応し、ファイルのエクスポート・インポートからトラブル対処までを完全カバー。
あなたの“言葉の資産”を新しいPCに完全移行し、いつもの快適な入力環境を取り戻しましょう。
Windows 11でユーザー辞書を移行する前に知っておきたい基礎知識

ここでは、作業に入る前に知っておくべき基本ポイントを整理します。
ユーザー辞書の仕組みや移行できるデータの範囲を理解しておくことで、後のトラブルを防げます。
ユーザー辞書とは何か?仕組みを簡単に解説
ユーザー辞書とは、自分で登録した単語や定型文を変換候補として表示させる仕組みのことです。
たとえば、「お」と入力すると「お世話になっております。」が自動で出るように設定できます。
これは、作業スピードを劇的に上げる“あなた専用の変換辞書”です。
Microsoft IMEやGoogle日本語入力などの入力ソフトが、それぞれ独自の形式でこの辞書を保存しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保存場所 | ユーザープロファイル内のIMEフォルダ |
| 拡張子 | .dic(Microsoft IME) / .txt(エクスポート時) |
| 主な用途 | 人名・会社名・定型文・顔文字の登録 |
移行できるデータとできないデータの違い
ユーザー辞書の移行で重要なのは、「登録した単語」と「予測変換履歴」を分けて考えることです。
登録単語は移行できますが、予測変換の履歴は引き継げません。
予測履歴はAIが自動学習して蓄積した情報なので、新しい環境ではリセットされます。
とはいえ、よく使う定型文や顔文字など、実務で必要な情報のほとんどはユーザー辞書で復元できます。
つまり、移行作業の目的は「あなたが登録した単語」を救出することです。
| 項目 | 移行可否 |
|---|---|
| 自分で登録した単語 | ◯ 移行可能 |
| 予測変換の履歴 | × 移行不可 |
| 学習した変換傾向 | △ 再学習で自然に復活 |
Windows 11で仕様が変わったポイント
Windows 11では、IME(日本語入力システム)が大幅に改良され、設定メニューの位置も変わりました。
以前のように「タスクバー右クリックですぐ開く」という手順が使えない場合があります。
特に「ユーザー辞書ツール」が見つからないという声が多く、これが最大のつまずきポイントです。
しかし心配はいりません。Windows 11でも、「設定」メニュー経由で確実に開く方法があります。
この後の章で、最短ルートと確実ルートの両方を丁寧に解説します。
| 項目 | 変更点 |
|---|---|
| 辞書ツールの位置 | 「設定」>「時刻と言語」>「日本語」>「学習と辞書」へ移動 |
| 互換モード | 旧IMEを再利用できる設定が追加 |
| エクスポート形式 | テキストファイルが標準に |
旧PCから辞書データをエクスポートする手順

ここでは、古いパソコンからユーザー辞書を取り出す方法を解説します。
この作業を正しく行えば、あなたの大切な単語データを安全にバックアップできます。
Microsoft IMEでのエクスポート方法
まずは、最も多くの人が使っているMicrosoft IMEから見ていきましょう。
画面右下の「あ」または「A」アイコンを右クリックします。
メニューから「ユーザー辞書ツール」を選びましょう。
ウィンドウが開いたら、上部メニューの「ツール」→「一覧の出力」をクリックします。
保存先として「デスクトップ」を指定し、分かりやすい名前(例:辞書バックアップ.txt)を付けて保存します。
このファイルこそが、あなたの“言葉の資産”です。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | 右下の「あ」アイコンを右クリック |
| 2 | 「ユーザー辞書ツール」を開く |
| 3 | 「ツール」>「一覧の出力」を選ぶ |
| 4 | 保存先を「デスクトップ」にして保存 |
注意:エクスポート時にファイルの拡張子(.txt)が正しく付いているか確認してください。
Google日本語入力でのエクスポート方法
Google日本語入力を使っている場合も、手順はほとんど同じです。
タスクバーの「あ」アイコンを右クリックし、「辞書ツール」を選択します。
左上の「管理」から「選択した辞書をエクスポート」をクリックします。
保存先として「デスクトップ」など分かりやすい場所を指定します。
ファイル形式は自動的にテキスト(.txt)になります。
この形式なら、Microsoft IMEへの変換も可能です。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| エクスポート形式 | テキストファイル(UTF-16) |
| 互換性 | Microsoft IME・ATOKなどへ転用可 |
| メリット | 文字化けやバージョン違いに強い |
Google日本語入力の辞書は、柔軟性が高く他ソフトでも使いやすいのが魅力です。
テキスト形式で保存するメリット
どちらの方法でも「テキストファイル」で保存するのがポイントです。
これは、異なるIME同士で辞書データを共有できる唯一の形式だからです。
また、メモ帳で中身を開いて確認・修正できるという利点もあります。
バイナリ形式(.dicなど)は他のIMEで読み込めないため注意しましょう。
テキスト形式なら、万が一ソフトが変わっても安心です。
| 保存形式 | 特徴 | 推奨度 |
|---|---|---|
| .txt | どの環境でも読み書きできる | ◎ |
| .dic | IME専用。他環境では読み込めない | △ |
| .bak | 自動バックアップ用。直接編集不可 | × |
辞書ファイルを新しいPCに移動する方法

ここでは、エクスポートした辞書ファイルを新しいPCに運ぶ方法を紹介します。
どの方法でも構いませんが、安全性と確実性を意識して選ぶことが大切です。
USBメモリを使った安全な方法
最も確実でおすすめなのがUSBメモリを使った方法です。
古いPCにUSBメモリを挿入し、先ほど作成した辞書ファイルをコピーします。
そのUSBを新しいPCに挿して、デスクトップなどに貼り付ければ移行完了です。
物理メディアを使うことで、ネット接続がない環境でも確実にデータを移せます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ネット環境不要で確実 | USBを紛失すると再取得が困難 |
| 転送速度が速い | セキュリティ対策が必要 |
| ウイルス感染のリスクが少ない | 物理的な破損リスクあり |
注意:他人のPCに挿したUSBを使い回すと、ウイルス感染の恐れがあります。
クラウドやメールで移すときの注意点
USBが手元にない場合は、クラウドサービスやメールで送るのも有効です。
OneDrive、Googleドライブ、Dropboxなどを利用すれば、PC間のデータ転送がスムーズに行えます。
また、自分宛てにメール添付したり、LINEの自分用トークに送信する方法も簡単です。
ただし、クラウド経由で移行する場合は「共有設定」に注意しましょう。
| 方法 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| OneDrive | Windows標準。自動同期が便利 | ◎ |
| Googleドライブ | 他デバイスとの共有も簡単 | ◎ |
| メール添付 | 手軽だが容量制限に注意 | ◯ |
| LINE送信 | スマホと連携しやすい | △ |
ポイント:ファイル名に「辞書」「backup」などを含めると後で見つけやすくなります。
どの方法を選んでも、「新しいPCのデスクトップにファイルがある」状態にすれば準備完了です。
Windows 11でユーザー辞書をインポートする方法

ここでは、移動した辞書ファイルをWindows 11の環境に取り込む方法を解説します。
Windows 11ではUIが大きく変わったため、従来通りの手順が通用しないケースもあります。
タスクバーから直接開く方法(最短ルート)
まずは、一番シンプルで早い方法を試してみましょう。
画面右下の「あ」または「A」アイコンを右クリックします。
メニューに「ユーザー辞書ツール」があればクリックします。
辞書ツールが開いたら、上部メニューから「ツール」→「テキスト ファイルからの登録」を選びます。
デスクトップ上の辞書ファイルを選択し、「開く」をクリックすれば完了です。
これだけで、あなたの登録単語がすぐに使えるようになります。
| 操作 | 説明 |
|---|---|
| 右クリック | 「あ」または「A」アイコンを右クリック |
| ユーザー辞書ツール | メニューから選択して開く |
| ファイル登録 | 「ツール」>「テキスト ファイルからの登録」 |
注意:この方法は、バージョンによってメニューに辞書ツールが表示されない場合があります。
「設定」メニューから開く方法(確実ルート)
タスクバーから開けない場合は、設定メニューを経由して開くのが確実です。
以下の手順で、必ず「ユーザー辞書ツール」にたどり着けます。
1. 「あ」アイコンを右クリックして「設定」を選択。
2. 「Microsoft IME 設定」画面が開いたら「学習と辞書」をクリック。
3. 「ユーザー辞書ツールを開く」ボタンを押します。
見慣れたグレーのウィンドウが開いたら成功です。
このルートなら、Windows 11のどのバージョンでも確実に辞書を操作できます。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | 右下の「あ」→「設定」 |
| 2 | 「学習と辞書」を選択 |
| 3 | 「ユーザー辞書ツールを開く」をクリック |
テキストファイルを登録する具体的手順
辞書ツールを開いたら、実際にファイルを取り込みます。
上部メニューの「ツール」をクリックし、「テキスト ファイルからの登録」を選択します。
エクスポートしておいたファイル(例:辞書バックアップ.txt)を選び、「開く」を押します。
「登録個数:〇〇語」と表示されれば成功です。
一部の単語が“失敗”と出ても問題ありません。それは既に登録されている単語との重複によるものです。
登録が終わったら、すぐにメモ帳で動作確認をしてみましょう。
「お」と打って「お世話になっております。」が出れば成功です。
| トラブル | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| ファイルが開けない | 文字コードの不一致 | メモ帳で開き「ANSI」形式で再保存 |
| 一部単語が登録されない | 重複登録や形式の違い | 失敗分は手動で追加 |
| 辞書ツールが開かない | IMEの不具合 | 互換モードを有効にする(次章参照) |
インポート後に変換できないときの対処法

ここでは、辞書をインポートしたのに変換できない場合の解決策を紹介します。
Windows 11のIMEは仕様が複雑なため、少しの設定違いで動作しないことがあります。
「互換モード」を使って旧IMEに戻す方法
最も効果的な対処法は、IMEを以前のバージョンに戻す「互換モード」を利用することです。
これは、Windows 11で追加された便利な裏設定で、旧IMEの安定した動作を再現できます。
手順は次の通りです。
1. タスクバー右下の「あ」アイコンを右クリックし、「設定」を選択。
2. 「全般」タブをクリックし、一番下までスクロール。
3. 「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」をオンにします。
確認メッセージが出たら「OK」を押せば完了です。
この設定により、辞書ツールの表示や変換精度が改善されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設定場所 | IME設定 > 全般 > 互換性 |
| 効果 | 旧IMEと同じ辞書ツール画面を復活 |
| 推奨 | 辞書ツールが開かない・変換されない場合 |
注意:互換モードをオンにすると、一部の最新機能(クラウド変換など)は一時的に無効になります。
エラー別のトラブルシューティング一覧
次に、よくあるエラーとその対処法をまとめておきます。
焦らずに、以下の表を参考に1つずつ確認していきましょう。
| 症状 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| ファイルを開けませんでした | 他のアプリがファイルを使用中 | すべてのアプリを閉じて再実行 |
| テキストファイルの形式が不正 | 文字コードの違い | メモ帳で開き「UTF-16 LE」で保存し直す |
| 品詞がおかしい | Google日本語入力からの移行時の差異 | 「名詞」などに手動で修正 |
| 変換候補が出ない | IMEの一時停止 | 再起動または再ログインで改善 |
エラーが出ても慌てず、原因を1つずつ潰していけば必ず改善します。
それでも直らないときの最終手段
すべての方法を試しても直らない場合は、辞書ファイル自体に問題がある可能性があります。
その場合は、以下の手順で新規に辞書を作成して再インポートしてみましょう。
1. 「ユーザー辞書ツール」を開く。
2. 「ファイル」→「新規作成」を選択。
3. 新しい辞書を作成後、「ツール」→「テキストファイルからの登録」を実行。
これで正常に読み込める場合があります。
旧ファイルが壊れている場合、バックアップ版(コピー)から再読み込みを試すのも有効です。
それでも解決しない場合は、IMEを一度リセットして再設定するのが最終手段です。
| 最終対処法 | 内容 |
|---|---|
| 辞書の新規作成 | 破損辞書を回避して再構築 |
| バックアップ再インポート | 別コピーの辞書を再利用 |
| IMEのリセット | 設定を初期化して再登録 |
まとめ:ユーザー辞書はあなたの生産性を支える資産
ここまでの手順で、Windows 11でも無事にユーザー辞書を移行できたはずです。
最後に、今後の作業をスムーズにするためのコツと、辞書を守る習慣を紹介します。
作業をスムーズにするためのコツ
ユーザー辞書は、単語を登録すればするほど価値が増すツールです。
効率よく使うために、次の3つを意識しましょう。
- よく使う定型文はすぐ登録しておく。
- 登録内容をカテゴリごとに分ける(例:仕事用・私用)。
- 1か月に1度はバックアップを更新する。
辞書を「メンテナンスする習慣」を持つことで、長期的な生産性が維持できます。
| コツ | 効果 |
|---|---|
| 定期的に見直す | 不要な単語を削除して変換精度を向上 |
| 用途別に管理 | 業務・趣味などで使い分け可能 |
| 新単語をすぐ登録 | 日々の入力効率を最大化 |
バックアップを習慣化する方法
せっかく移行した辞書データも、PCのトラブルで消えてしまうことがあります。
それを防ぐには、定期的なバックアップが欠かせません。
おすすめは、クラウドストレージや外付けメモリにコピーを保存しておく方法です。
特にWindowsの大型アップデート前には、必ずバックアップを取っておきましょう。
また、ファイル名に日付を入れておくと管理が楽になります。
「辞書バックアップ_2025_12.txt」などとすれば、いつ保存したか一目で分かります。
| 方法 | 保存先 | 頻度 |
|---|---|---|
| 手動コピー | USBメモリ・外付けHDD | 月1回 |
| クラウド同期 | OneDrive・Googleドライブ | 自動 |
| メール送信 | 自分宛てメール | 不定期(更新時) |
ユーザー辞書は、単なるテキストデータではなく、あなたの思考と時間の結晶です。
毎日の入力で積み上げた言葉の記録は、まさに“人生のショートカットキー”とも言えるでしょう。
これからも定期的なバックアップと整理で、自分だけの最強辞書を育てていきましょう。

